どうも皆様ぐーてんもるげん!今回のネタはPowerShellとゾーン識別子。
コマンド関連の記述も出てくるので、眠くなりたい!夜しか眠れない!とお嘆きの方にもお勧めです!w
ゾーン識別子とは?
この話題を進めるには先ず「ゾーン識別子って何?」「何でゾーン識別子なんてもんがあるの?」という所から説明させて頂く必要があるでしょう。
パソコン内に保存されているファイルのうち、他のパソコンやインターネットから入手したファイルには、残念ながら悪意を持ったユーザにより作成された、プログラムやファイルが存在します。
パソコンの利用者がパソコン内に元来保存されていないファイルではない、ということを認識せずにプログラムを実行したり、ファイルを開いたりしてしまうと、パソコンの環境に深刻な悪影響を及ぼす危険性があるんですな。
しかもパソコン内にもともと保存されていたファイルなのか、外部から持ち込まれたファイルなのかはパッと見判断するのがとても難しい!
そ・こ・で!「ゾーン識別子」の出番というわけです。
ゾーン識別子によりパソコン外から持ち込まれたファイルに対し
「これはパソコン内に元々から保存されてたファイルじゃないっすよー!もしかするとパソコンに良くないファイルかも知れないっすよー!」
という「目印」をつけるだけでなく、プログラムの動作やファイルを開く際に制約を設けることで、ユーザがよりパソコンをより安全に使用出来るようにする!ってわけです。素晴らしい!
ゾーン識別子が悪さをするケースも
先の説明をご覧いただければ「何だ!ゾーン識別子とやらは超絶重要じゃないか!」ということがご理解頂けたと思うんですが、残念ながら便利な機能は万全に働く訳じゃないってのが世の常。
というのも、ゾーン識別子は外部から持ち込まれたファイルに対して問答無用でくっつくので、例えば会社内でやりとりしているファイルや大学内で教授から渡されたファイルやネットワークドライブからダウンロードしたファイルを開こうとした場合、うえで説明した通り
「このファイルは安全じゃないかも知れないから実行させないぜ!」
となり、特にExcelとかで複雑なマクロが組まれていた場合、一見意味不明なエラーメッセージがばーん!と表示され「んだよ!!ファイルが開かねぇじゃねぇか!」となり「これじゃあ締め切りまでに間に合わないわ!」となるんですな。
極めつけなのがこのゾーン識別子に関するエラー、「このファイルはゾーン識別子がついてるからちゃんと動かないかもしれないよー?」的ユーザフレンドリーなエラーが返ることはほぼなく、大抵の場合トンチンカンなエラーメッセージを出しくさりやがります。
これのせいで「パソコンが壊れた!?」「ファイルがおかしい!?」となり、解決まで莫大な時間を要するという最悪なシナリオを辿ることになるわけです。結果として、ゾーン識別子自体は優秀な機能なのに「ゾーン識別子のせいで酷ぇ目にあったぜ!「ゾーン識別子うっざ!」となるわけです。
このあたり、マイクロソフト側も何かしらやりようはなかったんかなーとは思いますけどね。
じゃあ解除してやろうじゃないか、ゾーン識別子とやらを
ここまで読んでもらって「ゾーン識別子は超絶重要な機能だけど、解除するのが難しそう」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫!ゾーン識別子の解除方法はとっても簡単!
対象ファイルを右クリックし「プロパティ」を選んで、「セキュリティ」の欄にある「許可する」にチェックを入れてOKボタンを押す、たったこれだけ!
これで元々パソコンに保存されていたファイルと同じように扱うことが出来る様になります。
注意していただきたいのは、ここで解除するのはファイルそのもののゾーン識別子「のみ」ってこと。ExcelやWord等のファイルの場合、ゾーン識別子とは別に「外部から入手されたファイル」であることを認識する機能があり、ファイルを開いた際に読み取り専用で開くように制限を設けられています。これについては別途解除を行う必要がありますが、異常でも何でもないのでご安心を。
まとめて解除するにはどうすれば
これでもうゾーン識別子のトラブルも怖くない!と満足されたかも知れませんが、残念ながらここまでではまだサイバイマンレベル。Z戦士には程遠いです。せいぜいピッコロやクリリンに返り討ちにされるのがいいところです。
もう一歩踏み込んでみましょう。
ずばり「複数ファイルがあった場合はどうするのか?」
ネットワークドライブなんかからファイルをフォルダ単位でダウンロードした場合、ゾーン識別子を解除するファイルはとんでもない数になることも珍しくありません。10~20個程度ならチマチマ右クリックして解除で何とかなるかも知れませんが、100個近くなるとそうもいきません。更にサブディレクトリ(フォルダの中にさらにフォルダ)やサブのサブディレクトリなんて構成になったら発狂もの。
ここでPowerShellの出番というわけです。
手順としては
1.PowerShellを管理者で開く
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Windows PowerShell Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved. 新機能と改善のために最新の PowerShell をインストールしてください!https://aka.ms/PSWindows PS C:\Users\hoge> |
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Windows PowerShell Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved. 新機能と改善のために最新の PowerShell をインストールしてください!https://aka.ms/PSWindows PS C:\Users\hoge> cd c:\targetdir PS C:\TargetDir> |
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Windows PowerShell Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved. 新機能と改善のために最新の PowerShell をインストールしてください!https://aka.ms/PSWindows PS C:\Users\hoge> cd c:\targetdir PS C:\TargetDir> Get-ChildItem -Recurse -File | Unblock-File |
パソコンに慣れてらっしゃらない方だと「げぇ!?」と思われるかも知れませんが、習得する価値は間違いなくあります!
習得すれば社内や大学でPCに疎い方がゾーン識別子でパニックになったところにアナタがさっそうと現れ、不思議なコマンドでサクッとトラブルを解決して評価ぶち上がり!になり、より明るいキャンパスライフが、社会人ライフが始まるかも知れません!多分きっと恐らく!w
コマンドを自動実行する方法を考えてみる
PowerShellを使ってコマンドを打ち込むのは大変かっこよろしいのですが、ぶっちゃけ面倒!加えてミスタイプの危険が伴います。
こういう「たまにしょっちゅう使う」コマンドはスクリプト化しちゃいましょう。
ソースコードはこちら
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# ---------------------------------------------------------------------- # ゾーン識別子一括クリアスクリプト (PowerShell単体での管理者昇格機能付き) # # このスクリプトは、実行前に管理者権限をチェックし、権限がなければ # 自分自身を自動的に管理者権限で再起動(昇格)します。 # ---------------------------------------------------------------------- # ====================================================================== # 1. 管理者権限チェックと自己昇格ロジック # ====================================================================== # 実行中のユーザーが管理者権限で昇格されているかを確認 if (-not ([Security.Principal.WindowsPrincipal][Security.Principal.WindowsIdentity]::GetCurrent()).IsInRole([Security.Principal.WindowsBuiltInRole]::Administrator)) { # 昇格されていない場合、自分自身を管理者権限で再実行する $ScriptPath = $MyInvocation.MyCommand.Definition # PowerShellの実行コマンドを生成 # Start-Processで管理者権限(-Verb RunAs)を指定して再起動 Write-Host "管理者権限が必要です。UACプロンプトが表示されますので、「はい」を選択してください。" -ForegroundColor Yellow Start-Process -FilePath "powershell.exe" -ArgumentList "-ExecutionPolicy Bypass", "-File", "`"$ScriptPath`"" -Verb RunAs # 元のセッションを終了 exit 0 } # 管理者権限が確保された後の処理 # ====================================================================== # 2. 初期設定 # ====================================================================== # 処理対象ディレクトリ ($PSScriptRoot: このスクリプトが存在するパス) $TargetDirectory = $PSScriptRoot # ログファイルパスを定義 (例: Unblock_20251119_171500.log) $Timestamp = Get-Date -Format "yyyyMMdd_HHmmss" $LogFilePath = Join-Path -Path $TargetDirectory -ChildPath "Unblock_Log_$Timestamp.log" # ====================================================================== # 3. 処理継続に対する最終確認 # ====================================================================== Write-Warning ("処理対象ディレクトリ: " + $TargetDirectory) Write-Warning "この処理はゾーン識別子を完全に削除し、もとに戻すことは出来ません。" Write-Warning "処理結果は以下のログファイルに出力されます: $($LogFilePath)" Write-Host "" $Confirmation = Read-Host -Prompt "本当に実行しますか? (Y/N)" # ====================================================================== # 4. 分岐処理と実行 # ====================================================================== # 入力が 'Y' または 'y' の場合にのみ処理を続行する if ($Confirmation -eq 'Y') { # 続行する場合の処理 # ログファイルのヘッダーを書き込みます $LogHeader = @" # ゾーン識別子クリアログ # 実行日時: $(Get-Date) # 対象ディレクトリ: $TargetDirectory # ---------------------------------------------------------------------- "@ $LogHeader | Out-File -FilePath $LogFilePath -Encoding UTF8 Write-Host "[OK] ゾーン識別子解除処理を開始します... (処理中は画面表示が流れます)" -ForegroundColor Green # Get-ChildItemでファイルを取得し、ForEach-Objectで個別に処理 # 注意: UAC昇格後のプロセスでは、カレントディレクトリがC:\Windows\System32になる場合があるため、 # $TargetDirectory (=$PSScriptRoot) を明示的に指定することが重要です。 $Files = Get-ChildItem -Path $TargetDirectory -Recurse -File $Files | ForEach-Object { $file = $_ $LogEntry = "" # 画面に進捗を表示 (環境依存の少ない DarkGray を使用) Write-Host "処理中: $($file.FullName)" -ForegroundColor DarkGray try { # Unblock-Fileを実行。エラー発生時にcatchブロックに制御を渡す Unblock-File -Path $file.FullName -ErrorAction Stop # 成功時のログエントリー $LogEntry = "$(Get-Date -Format 'HH:mm:ss') [SUCCESS] : $($file.FullName)" } catch { # 失敗時のログエントリー (アクセス拒否など) $ErrorMessage = $_.Exception.Message.Replace("`n", " ").Replace("`r", "") $LogEntry = "$(Get-Date -Format 'HH:mm:ss') [ERROR] : $($file.FullName) - $ErrorMessage" } # ログファイルに追記 Add-Content -Path $LogFilePath -Value $LogEntry -Encoding UTF8 } Write-Host "----------------------------------------------------------------------" Write-Host "[完了] ゾーン識別子解除処理が完了しました。" -ForegroundColor Green Write-Host "ログファイル: $($LogFilePath)" -ForegroundColor Green Write-Host "----------------------------------------------------------------------" # 完了後、ウィンドウを閉じないようにユーザー入力を待つ Read-Host -Prompt "処理が完了しました。ウィンドウを閉じるには何かキーを押してください" | Out-Null } else { # 続行しない場合の処理 Write-Host "[中止] ユーザーの入力により処理が中止されました。" -ForegroundColor Red # 完了後、ウィンドウを閉じないようにユーザー入力を待つ Read-Host -Prompt "中止しました。ウィンドウを閉じるには何かキーを押してください" | Out-Null } |
上のソースコードを全部メモ帳にコピーして、「UnblockFileAuto.ps1」みたいな名前で保存すればOK!
使い方はゾーン識別子を解除したいファイルのあるフォルダにスクリプトファイルをコピペして、右クリックから「PowerShellとして実行」を選べばOK!
コマンドの入力ミスも減らますし、そこまでパソコンに詳しくない方にお渡しして
「ボクがいないときに同じことで困ったら、コレを使って」
「このファイルを見たら、俺を思い出してくれないか」
なんてことも出来ちゃいますな。
スクリプトを使う、配布する上で大事なのは「理解してから使う」こと。
自動化できるぜひゃっはー!で乱用していると、エラーになったときに本気で困り果てることになります。記載されているコマンドやコメントを頼りに、何の目的でどういう意図があってこのコマンドが書かれているのか、ある程度分かったうえで使わないと、どえらいことになりますので注意をば。
ここまで行ったあなたはもうZ戦士どころじゃありません、超サイヤ人クラス!クウラだって易々と返り討ちに出来ちゃいます!素晴らしい!職場での評価も天井知らずなこと請け合いです!!
真面目な話、会社内などリテラシーレベルが一定でない組織の場合、こういうスクリプトは本気で役に立ちますよ。
ちなみに、管理者権限なしで実行しちゃったときのために、実行権限を自己昇格する機能が搭載されてます。これで「管理者で実行するの忘れてエラーが大量に出たぜ!」なんて事態も回避出来ますよ。
皆様も良きパソコンライフを!
ではまた!!


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