2021年7月4日日曜日

レカロシート SP-JJを導入したけど失敗したよ、というお話

 先日、Twitter上でレカロを導入するって話を書いてたんだけど、結論から言うと純正に戻してしまいました。

というわけで、今回はその顛末のお話。

そもそもレカロシートに興味を抱いたのは、現在の仕事で1日4~5時間の運転をほぼ毎日するような現場に頻繁にいくようになったため。
それまで純正シートにそこまで不満は無かったんだけど、ずっと座っているとやっぱり疲れてくるし、腰痛も酷くなる。で、これを何とか出来ないものかなぁと思いついたのが、レカロシートの導入だったわけです。

それで、以前試しにSP-JJを使っている車両に座らせてもらったところ、背面部の密着感は
感動的だったのを思い出したんですね。
これなら長時間運転もラクになるかもしれない!と。

ちなみに私がこの時やったのは、他人の車両というのもあって、ただ「座っただけ」。
フットレストの位置の違いや、各ペダルを操作した時の印象の確認はしませんでした。
この軽率な行為が、後の惨事を招く結果になります。

憧れのレカロシートがやってきた!!

SP-JJとシートレールを入手し、清掃後早速取り付け実施。
取り付け自体はものの1時間足らずで終了。
以前椅子全部外して、カーペット剥いでデッドニングとかしたことあったので、作業としては特に困る事はありません。まぁ汗だくにはなったけどね。純正重いし。

で、とりあえず着席。うん、素晴らしいね。
特に背中の密着感が全然違う。これは本当にいい買い物だった。
この時は本気でそう感じてたんですよね。実際座った「だけ」なら良かったですし。

翌日、往復150km以上を走行してみたところ、背中は良いんですが座位がどうもしっくり来ません。
どこに座っても違和感があるというか、おさまりが悪いというか。
具体的に言うと、左太腿を横からグイグイ圧迫されている感じ。
同じような症状がないかググってみた所、太腿の裏側からの圧迫感についての記載を発見。
この場合はスペーサーで高さを調整してやることで対応したと書かれてましたので、さっそく実行。

効果は、正直かなり微妙。確かに太腿裏の密着感は上がった気がするんですが、肝心の横からの圧迫感については、改善性は皆無。えぇ・・??
 

導入した結果は、改善するどころか・・・ 

そうこうしているうちに今度は別の問題が起きてしまいました。
腰の痛みが悪化し、圧を感じていた左太腿の左部にも痛みを生じ始めてしまったんですね。

一旦落ち着き、根本的に座る場所というか、座り方そのものに問題があるんじゃないかと考え、あれこれシートポジションを弄り、足の置き場所を探していると、大変楽な場所を見つけます。
シートに深く座った状態で、クラッチペダルの下に足を投げ出すように置いたときでした。
この体勢であれば、左太腿にも違和感を感じません。
そして私はこの体勢というか、脚の配置に覚えがありました。
そう、フォレスターの代車でAT車を借りた時です。
私の中にあった、あまり考えたくない「仮説」がが徐々に具体性を帯び始めてきました。

ということは、シートそのものではなく、シートと車種の相性が最悪という事?

残念ながらそうでした。シートの背面部の密着性は素晴らしいのですが、車種、特にMT車で
SP-JJをインストールした場合、左足のポジションに問題が生じるようです。
具体的には、ペダルの踏み込みをしているときはいいのだけど、フットレストに足を戻す(ギアチェンジが不要な定速走行に入った状態)だと、脚が中央より左を向いてしまい、座面のアーチ部分に太腿裏が干渉してしまいます。
分かりやすくオーバーに言うと、左脚を助手席側に投げ出したようながに股状態になっていると想像して貰えばいいでしょうか。
この状態で運転を続けた結果、圧を感じていた左脚側面の血流が悪くなってしまい、痛みを生じたようです。

加えて、純正と比較すると座面の左右のアーチがきつい為、より圧迫感を感じたようです。左の図の赤丸で囲ってるところですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

対して、こちらがSG-9の純正シート。赤丸でマークされている所、SP-JJと比較すると、大変ゆったりとしたアーチがくぼんだ形になるように作られているがよく分かります。

 このくぼみ形状があるからこそ、クラッチ操作後に足をフットレストに戻した時であっても、違和感なく収まってくれていたんですね。

 

 

 

 

この辺り、やはり純正はよく考えられて作られているのだなぁと改めて感心。

腰痛が再発した原因はもっと単純なものでした。運転中に左脚の違和感を改善する為、何度もシートポジションの変更を繰り返した結果、座位を変更する為に何度も身体を持ち上げた結果、ヘンな所に力が入ってしまったためでした。

なお、これらの問題はMT車両、もっというと私のクルマのペダル配置でのみ顕在化する問題で、他の車両、クラッチペダルの無いAT車では起こりえないということになります。
結論として、SP-JJはSGフォレスターのMT車には不向きだったのです。


露呈したフィッティング検証の甘さと、試用の重要性

当初座らせてもらった際の車両はAT車で、ペダルを踏みこんだ際の違和感やフットレストに足を戻した場合の検証はまったくやっていませんでした。
というか、腰痛を何とかすることを目的にしていた私は、これらの問題をそこまで重要だとは考えていなかったんですね。あうあうあー。

大体、シートなんてものは運転中に座る訳で、ハンドル握ってペダル操作して、もっと言えば結構な時間試乗しないと、こんなの分かる訳ないのに、なんで座っただけで「イイ!」なんて思っちゃったんでしょう。あうあうあー。

負債は小さくないが、得られたものも少なくはなかった

結局、フォレスター用のシートレールと購入したレカロシートは不良債権になってしまったけれど、シート交換時のフィッティングの確認の重要性、それが実感できたことは大変大きかったように思います。
実際、今回の様なことが無ければ実車を想定したペダル位置による脚の配置での装用感の確認が必要になるなどとは、以前の私では考えもしなかったでしょうし。

ひとつレカロに苦言を呈するのであれば、今回の様なMT車両の場合、AT車両とは明らかにフットレストの位置が異なるので、使用感に問題が生じる事があることくらいは分かるように書いておいて欲しかったかなぁと。
実際、購入前に適合表を見に行ってはいるのだけど、今回購入したSP-JJに関しては特段注意書き等は存在しませんでした。

 

結論 やっぱり純正は純正だった

事前評価の高さもあって、純正からレカロシートへ乗せ換えれば100パーセント現状が改善されるはずだ!という先入観そのものが誤りだったわけですね。つまり私が悪いw

大体、純正シートなんてものはその車両「専用」で試行錯誤され、開発されているわけで、背面部の密着度やただ座るだけの快適性ならともかくとしても、そこに「運転操作」の要素を加えて検証した時に、汎用品として開発されているシートがベストマッチする方が不思議なんだよな、と。納得

色々ありましたが、純正シートの良さも再認識出来たし、レカロシートそれ自体は全く不具合等は無いわけですから、何かに転用できるかもなと思ってます。

※事情を話したら売却した方が買い戻してしまうかもしれませんが。。。 


純正シートさんには、もうしばらく頑張ってもらうかなと思ってます。

だいぶへたってきてはいるんですけどね~。

 

ではまた!!