2021年9月22日水曜日

フォレスターSG9にSG5のパワーシートを移植したら思ったより大変だったよ

 新型コロナが相変わらず落ち着かないこの頃ですが、如何お過ごしでしょうか。

今回のネタはSG9にパワーシートを導入するというもの。要は「パワーシート非搭載車に、パワーシートを導入」します。相変わらずアホな事してますね、私。

 

事の発端はSG9のシートのヘタれ

以前レカロシートを導入する下りでも少し触れてますが、私のSG9のセミバケットシート、結構やられてます。レカロシートからの純正戻し直後はそこまで気にするほどではなかったんですが、座面の左右のサポート部分のウレタンが傷んでしまい、中のフレーム部分が直に腿に当たって痛みを感じる位になってしまいました。

当初、座面のリペアだけでなんとかしようと考えていたんですが、リペア業者に相談したところ「これはアッセンブリ交換しか手が無い」と言われてしまい断念。詳しくお話を伺うと、どうもシートカバーの装着方法には上からかぶせているだけのタイプと、接着剤でウレタンに接着されているタイプの二種類があるらしく、後者の場合はカバーを外すことが極めて困難とのこと。

お察しの通りです。SG9がその後者だったわけですね。あうあうあー。

ウレタンを部分的に補修して終わるかも!なんてあまーい事を考えていた私の思惑は見事に打ち砕かれた訳ですな。あうあうあー。

じゃあアッセンブリ交換で行こうとディーラーの担当に部品を調べて頂きました。ところが・・・

担「言われてたシートのアッセンブリですが、部品ありましたよ」

私「マジですか。でもなんだか雲行き怪しい声ですよ?在庫切れでは無いんですよね?」

担「ええ。ですが部品だけで7万近いんです」

私「は?はえ!?工賃とか抜きでですよ?アッセンブリだけでですよ?」

担「はい、部品だけで7万近いです」

私「お、おおぅ。。。えぇ?まじですか。。。」

担「はい」

私「あっはっはっはっはw」

担当さんも結構付き合いが長いので、このコメントで何かを察したらしく「また入用な時はご連絡下さい」と仰ってくださいました。いやー、わかっちゃいましたが純正新品アッセンブリは良い値段しますねぇ。

こうして、既存シートリペア作戦は断念することに相成りました。


思いついた次の手段

じゃあもう中古でシートごと探した方がいいじゃないかとなったんですが、そもそも個体数の少ないSG9です、中古シートだってそこまでお手軽価格じゃないでしょうし、あったところで今のシートよりヘタっている可能性大です。

加えて、助手席シートの乗り降りが嫁さんに不評だったこともあり、だったらセミバケットじゃない、SG5のドノーマルなシートを持ってきて、運転席も助手席も交換しちゃえば助手席の乗り心地も改善しちゃえるんじゃないかな!?となったわけです。

かくして、SG5のシートをヤフオクで探す旅が始まりました。検索当初それなりに状態のよさそうなシートを無事見つけることが出来、落札するに至ります。こちらのシートはパワーシートではなく、レバーで操作するごく一般的なシート。パワーシートにそこまで魅力を感じている訳ではなかったので好都合。

せっかく落札したのに!!

無事入金を済ませ、ウッキウキしながら発送連絡を待っていたら、何とトラブル発生。信じられないことに落札したシートを、販売業者がダメにしちゃったんですね。何でも雨ざらしにしたとか。。。おまけにその後の措置を聞いたら、クリーニングはおろか、リンサー等で水の吸出し等を行わず天日干しにしているとの事。

いや、雨ざらしにした挙句自然乾燥ですって?

そんなもの、絶対臭う+錆びるでしょ??

シート自体は結構希少だったため、クリーニング業者に依頼してリペアして欲しい旨を相談するもあっさり却下。こうして、せっかく落札したシートはあえなくキャンセル。きっとゴミになるんでしょうね。嗚呼もったいない。。。


仕方なく再度検索検索ぅ!しかしヒットはしたものの、発送場所の関係で送料がとんでもないことになることが判明して断念。具体的な金額は書きませんが、送料とシート代でブリッドのセミバケットシートが買えちゃうレベル。これは流石に高すぎます。

次にヒットしてきたのはパワーシートだったんですが、シートヒータ付きのものとシートヒータが無いものの2つ。ただ、前者の商品について不明点があった為出品者に質問を投げた所、これが中々レスポンスが無い。対してシートヒーター無しの方を出品されていた方はというと、質問した内容に迅速に答えて下さいました。

双方送料まで加味した金額は大差なかったため、今回はシートヒーター非搭載のシートを落札することに。

かくして、パワーシートを非パワーシート車に移植するという、とんでも作戦が決行されるに至ったわけです。前述した通り、当初パワーシート自体にはあまり興味は無かったんですが、商品をヤフオクで漁っていくうちに「SG9にパワーシートがついてたら面白くないです?」という、あまりに天邪鬼な発想が私の変態思想に火をつけておりましたw

商品検索と並行してSG5搭載のパワーシートについて情報収集。レール的には移植は可能との情報が出てくるものの、パワーシートの電源供給システムがどうなっているのか、具体的には何のカプラがあって、どこから何アンペアの電源を要求してるのか、このあたりの情報がさっぱりわかりません。

困り果ててネットの海を彷徨い、Twitterで情報提供をお願いしたところ「Naoya90」氏が回路図を提供して下さり、頂いた情報から

・パワーウィンドウブレーカーから電源供給を受けているため、消費電力は小さくない(経路上のヒューズは30Aもある)

・パワーシート自体のカプラは2極が1個だけ

・シートヒーター付きの場合、パワーシート制御とは独立して回路が存在する

ことが判明。この情報から必要な部材等のアタリが付きました。

(Naoya90さん、本当に有難う御座いました!!)

最後まではっきりしなかったのが「パワーシートそれ自体の要求アンペア」。ネットの情報では「5Aヒューズだとすぐ切れた」や「30Aのヒューズを噛ませたら動いた」、「12V 8Aの電源供給で動く」など様々。 

困り果ててディーラーに電話で聞くも回答はイマイチ。イレギュラーなことをしようとしているのですから、当然といえば当然なのですが。

で、担当者とひとしきり話した結果「SG5のメインヒューズが30Aなんだから、パワーシートだけで30Aってことはないだろう。恐らく15Aじゃないか?」となり、「バッ直ケーブルに30Aのヒューズを噛ませて、ACC連動制御リレーの先に15Aヒューズを噛ませたらどうだろうか。それで飛ぶようであれば20A、30Aという感じで付け替えたら?」という結論に至りました。

※東京スバルさん、こんな訳の分からない質問に丁寧に答えて下さり、大変有難うございました!!

Naoya90さんとディーラーから頂いた情報を基に、作成した配線図は下のような感じ。

バッ直電源のオン・オフはACCと連動させて制御することで、停車中に電源供給されないようにします。で、バッ直電源のオン・オフ制御リレーの電源をシガープラグから供給するようにすることで、汎用品のシガーソケット増設製品のオン・オフスイッチを、そのままパワーシートのオン・オフスイッチとして採用する方法をとることにしました。こうしておけば、後々タイマー付きシガーソケットを使いたくなった時にも差し替えるだけで済みますし、メンテナンスのために電源をオフにしたい場合であってもプラグを抜くだけで事が足ります。

また、バッ直電源制御リレーが故障し、意図せず常時電源供給になってしまったときのためにもうひとつリレーを追加することにしました。リレーの制御にはACC電源を使用し、エーモンのアイスブルースイッチを使用することで、電源供給有無の確認ランプを兼用させます。こうしておけば、バッ直リレーが故障して常時電源供給状態になってしまっても、停車中に電源を送り続けるリスクはかなり軽減出来る筈(リレーが2個とも壊れたら知りませんが、その可能性はかなり低いでしょうし)。


で、取り付け前に室内で動作試験していて、ちょっと手を加えたほうが良いことに気づき改良したのが以下の図面。

何が変わった?って言われそうですな。変わったのはリレーのGND接続先。ACC電源連動リレーと、プッシュスイッチで制御するリレーのGNDをいずれもシガーソケットにすることで、シガー電源接続だけで動作試験が可能なように改良しました。こうすればリレー制御と実際にパワーシートに供給される電源回路が完全に独立するため、トラブル時の原因究明が格段に楽になります。

最後まで悩んだのがプッシュスイッチと最終リレーを制御するための電源供給を、バッ直から持ってくるか否かということ。パイロットランプ的な役割を期待するのであれば、メインリレーから来た線を分岐させ、プッシュスイッチに経由すべきだと思うのですが、停車中にメインリレーが故障してプッシュスイッチに電源供給されてしまった際、プッシュスイッチがオンのままだったとすると結局予備リレーも動作してしまう為 、バッテリー上がりを防ぐためのリレーの意味が無くなってしまうと考え、結局上記の配線で落ち着いています。


今回使用したパーツはこちら

エーモン工業 2049 リレー付き電源ケーブル

今回のようなバッ直電源取り出しではもはや定番商品。40Aの制御リレーと30Aのスローブローヒューズに3.0sqのケーブルがセットになっているため、チマチマ部品を別で揃えるより安くあがります。








エーモン工業 3210 プッシュスイッチ 

別用途用に買っていたものだったんですが、残念ながら日の目を見ずに眠っていたものを今回転用。アイスブルーのLEDは常時点灯とスイッチON時のみ点灯のいずれかを選ぶことが可能です。





エーモン工業 1537 電源プラグ

上部に通電を示す、青色のインジケータLEDが付いた電源プラグ。今回はリレーの制御用の電源しか供給しないため、1.25sqで十分です。





エーモン工業 1122 カプラ―2極(ロック式)

パワーシートと今回作成したハーネスとの最終接続に使用します。キボシ端子でもいいんですが、ロック式カプラであれば取り外しの際の面倒が少ないので。価格もそこまで高くありませんし、メンテナンスへの投資だと思うことにしました。




エーモン工業 1182 ダブルコード(1.25sq)

配線作成用のコード。特筆すべき点はありませんね。手持ちが0.5sq、0.75sqと細めだったので用意。30Aを送り込むならちょっと足りないかも。まぁ8Aで動いたって情報もありましたし、多分コレで大丈夫かな。





エーモン工業 E443 平型ヒューズホルダ

最大30Aまで対応したヒューズホルダ。予測では15A以上を載せる必要は無い筈と踏んでいるんですが、まぁそこでケチって後で買いなおしになるのも面白くありませんし、ここは大は小を兼ねるということで、30A用をチョイスしています。





エーモン工業 3235 リレー

上記したプッシュスイッチで制御することにより、パワーシートへの電源供給を制御します。メインリレーが故障した際、パワーシートに常時電源を送り込まないようにするための、最終安全装置的な立ち位置も兼ねてます。






上記のパーツを配線図通りに接続したのが下。正直かなりぐっちゃぐちゃですな。

屋内でテスターを用いて動作試験を行い、ショート等を起こしていないことを確認。いよいよ実車へ取り付けます。

 

 

運転席から線をひいて、バッ直接続する準備をします。接続の途中で誤って「バチッ!」とやると大変楽しくありませんので、バッテリーへの接続は最後に。


パワーシート側を加工します。当然ながら純正カプラーが使える筈ありませんのでカット。先端をキボシ加工します。

 

キボシ加工したら、あらかじめ用意しておいたロック式のカプラーが繋がった線を接続。


念のためキボシ部分をビニルテープで覆い、余ったケーブルを束ねます。これでパワーシート側の作業は完了。


あとは標準のセミバケットシートを下ろして、付け替えたら、カプラー等を接続して完了。シートベルトキャッチャーはセミバケットシートのものが新品交換済みだったので移植しています。


 途中に登場したアイスブルーのプッシュスイッチは、コンソールの灰皿部分を潰して加工した箇所に追加して完了。


コンソール全体でみるとこんな感じ。一か所だけ青のLEDなので浮きまくりますね。そのうちスキ見てこれも赤色LEDのプッシュスイッチに入れ替えちゃおうと思ってます。

 当初は「セミバケットシートが傷んだから何とかしたいなー」という、非常に軽い考えから始まった本企画ですが、終わってみたらとんでもなく大がかりな作業でした。

最後に、シートポジションはセミバケットからするとだいぶ高めになりました。シートの高さを一番下まで下げてもなお高い。まぁ頭が天井につくこともありませんでしたし、見下ろす形になったことで視界も良くなりましたから、結果オーライでしたが(低身長で良かったw)。

仕事柄結構な距離を移動するので、これで来週以降の運転が楽になってくれたらいいなーと期待しているところです。 

ではまた!!

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