2025年11月27日木曜日

【4K/2K】DisplayPort→HDMI変換で失敗したくない!カギはHDCP2.2対応だった!

 どうも皆様ぐーてんもるげん。最近ブログ書きまくってるなーとか思ってる私です。
 あのねぇ、こんなにネタになることが転がってるのか?どんだけエキサイティングぅ~なSEライフ送ってんのかこいつは?と思われるかもしれませんがね、ええ、転がっているんでございますよ。悲しいことに。
 ハイ、というわけで今回のネタはDisplayPortからHDMIへの変換。先に言っとくと今回はひっどいことになる前にブレーキをかけれたんですが、説得にまぁまぁ苦労したんですわ。ええ。


事の発端はモニタの端子
 以前何かでネタにしたかもしれませんが、ワタクシこれでもSE的なお仕事させてもらってます。んで今回、Windows11の端末を買ったんですが、モニタはユーザが所有する現地のものを流用する計画だったんですね。

 ところがここで問題発生、買った端末はDP端子しかないのに、現地のモニタにはD-SUB、DVI、HDMIしかない。そうですね、繋がらないんですね。じゃあ変換アダプタを買って来よう!となったんですが、安いはエライ理論な方あるあるな、ショップに並んでいる中で一番安い、てか超絶安いパッシブタイプのを買ってきそうになったんで

「いやいや!映るかも知れませんがまともに使えないですって!?」

ってお話したら

「はぁ?DP端子とHDIMI端子だろ?端子の形は合ってるんだから使えるだろ?」

となってしまい、お話にならない。

 最終的に「何でこっちの高い方買うねん。安い方でいいんじゃねぇのか」とぶつぶつ言われながらも見事トラブルを回避することに成功したんですが、パッシブタイプとアクティブタイプの説明にかなりの労力を割くことになったわけです。

 てかさぁ、端末の出力端子とモニタの入力端子くらい、調べとこうや!


DP信号とHDMI信号は異なる

 今回の話を進めるにあたり、DisplayPort端子でやり取りするDP信号と、HDMI信号には大きな違いがあるんだってところから説明しなきゃなりません。

 HDMI(TMDS方式)は、映像データを送るための信号ラインと、別に映像データを送る「速度」を定める専用のクロック信号ラインで構成されています。
 映像信号はクロック信号ラインで定められた速度で、送信元から送信先に送られるわけです。

 例えて言えば、運行ダイヤが組まれている電車のようなイメージでしょうか。電車の乗客をデータとした場合、電車は運行ダイヤ(クロック信号)に準じ、正確に乗客を次の駅へ運行しますよね。駅のホームも運行ダイヤがあるから、次の電車が入ってきて乗客が降りる時間を正確に予測することが出来ます。それに近い感じです。

 なので、品質が粗悪なHDMIケーブルを使ったりすると、クロック信号で定められた速度で正しくデータを伝送することが出来なくなってしまい、結果的に接続不良や映像の乱れの原因になったりするんですな。

 対してDisplayPortの場合、映像データの信号ラインとクロック信号ラインが分かれているHDMIのTMDS方式と異なり、各データパケット(小さいデータのかたまり)にクロック情報が埋め込まれた状態でデータのやり取りを行います。

 これをマイクロパケット方式といいます。

 こちらは例えて言うなら宅配便。やり取りする荷物(データパケット)に到着予定日(クロック情報)がくっついているので、大きい荷物は配送に時間がかかるけど、小さい荷物だったら短い時間で配送する、といったような柔軟な対応が可能になります。結果としてHDMIと比較してより効率の良い高速なデータ転送が可能になるわけです。


DP信号はそのままHDMI接続には使えない
 ここまでで「DP信号とHDMI信号って全然別物じゃねぇかよ!」というのが分かってもらえたでしょうか。

 DP信号はHDMI信号のようにクロック信号の専用ラインを持っていません。なので、DP信号をHDMI接続したい場合、

・データパケットに含まれるクロック情報を抽出
・データ信号ラインと別にクロック信号ラインを構築
・取り出した映像データとクロック信号をそれぞれ専用ラインで転送する

という、かなりややこしい処理を行わないと実現出来ません。
この一連の変換処理のことを「アクティブ変換」と呼びます。

 今回紹介した例とは逆にHDMI信号をDP接続したい場合、まったく逆のプロセスを踏む必要がありますが、アクティブ変換を行うプロセッサには処理の可逆性は基本的に持っていません。DPからHDMIの変換アダプタを使って、HDMIからDPへの変換を試しても映らないのはこのためなんです。

 アクティブ変換と対をなすのが、上のお話でも登場したパッシブ変換になります。

 パッシブ変換はアクティブ変換とは異なり、データ信号の変換処理を実施しません。DP信号が持つ「DP++(デュアルモード)機能」を使用することで、HDMI信号を「限定的に」利用する方法になります。

 限定的に、と書かれてピンと来た方もいらっしゃるかも知れませんが、このモード、HDMIの規格をフル活用することは出来ません。
 というのも、DP++は本来旧型の規格に準じたHDMI機器やDVI機器など、古い機器をどうにか動かすための救済措置的な機能として搭載されたもので、最近出てきている2Kモニタのような高性能モニタで常用することを目的としたものじゃないからなんですね。パッシブ変換でも問題にならないのはFullHD以上の解像度も、HDCPの対応のいずれも必要がないパターン。せいぜい、外出先でノートPCにモバイルディスプレイをつないで一時しのぎで使いたい、とかその程度のものだと思ったほうがいいです。それでもアクティブ変換を使ったほうがいいでしょうけど。


最近出てきているType-C接続も実は・・・
 最近、ノートPCや極小PCに搭載されているUSB Type-Cでの映像出力機能ですが、実はこれ、中身はDP接続と同じマイクロパケット方式で動いてます。

 Type-Cポートにディスプレイが接続されると、内部でDP Altモード(DisplayPortAlternateModeの略) にモードが切り替わり、Type-Cのデータラインの一部がDPのマイクロパケット信号を出力するために割り当てられます。こうすることで、ディスプレイから電源供給を受けつつ、またはディスプレイに端末から電源を供給しつつ、ディスプレイに映像が表示できる、というわけです。

 なので、TypeCからHDMIに変換したい場合もDPからHDMIに変換したい場合と同じく、Type-Cアダプタの場合であっても、アクティブ変換の機能を持ったアダプタが必要になってきます。


DP→D-SUBの変換はデメリットしかない
 最近たまによく見るこの方式なんですが、もうね最悪です。見えてる地雷だと言っていいと思います。DPはデジタルデータとして映像信号を扱うのに、D-SUBはアナログ信号で映像を扱うんですから!

 なので、DPからD-SUBへの変換をする場合、DPの0と1で構成されているデジタルデータを、アナログの波形データに変換しなきゃなりません。当然ながら欠損する情報は出てくるし、いい加減に補完されたデータも出てきます。
 トドメにアナログ信号にはデジタル信号と違ってエラー訂正の機能がありません。
 これらが結果としてゴーストやノイズ、色のにじみといった形で「うん?なんか表示が汚ぇぞい?」となって表面化するわけで、「んだよ!ゴージャスな金額のゴージャスなモニタ買ったのに全然汚ぇじゃねぇか!このゴミが!!ファ〇ク!」となるわけです。もちろん高性能なコンバータを使用すればこの問題はある程度軽減することは出来ますが、高性能なコンバータは当然のごとく超高級コンバータなので、思いっきりコストに跳ね返ってきます。しかも、どこまで行っても変換ナシでDPをモニタに直結する構成には解像度も安定性も届きません。ぶっちゃけ、コンバータに投資する金額でモニタ買いなおしちゃったほうがいいってわけです。D-SUBしかないモニタなんて、そこまで新しいモデルじゃないでしょうし。

 この方式、某メーカ製PCを買うとオマケだよと言わんばかりにDP→D-SUB変換アダプタ入れてくるんですが、正直言ってこんなもん付けるくらいなら、D-SUBポート残すか、せめてDPからDVIの変換アダプタにしてくれよ!と思いますな。マジで。
 DPからDVIの変換なら先に紹介したパッシブ変換が効くので、アナログ変換より遥かにマシですもの。


DP→HDMI変換アダプタを選ぶポイントは、ズバリHDCPの対応規格
 ここまでで「安いDP変換アダプタは地雷」というのはわかってもらえたと思います。
 が、世の中には如何にも「オレ?アクティブ変換だしぃ」みたいな顔した、立派なパッケージに入った、立派な価格が定価なんだけど、セール品で滅茶苦茶安くなってるんだぜ!みたいな、本当にどうしようもないクソみたいなパッシブ変換アダプタが存在します

 ええ、どこのマーケットで売られてるか知りませんけどね。どこのマーケットでしょうねぇ。ねぇ。

 売る側も売る側で、パッシブ変換っすよ!ってことを明記したがりません。たまに明記してる、非常にユーザビリティな製品も存在します。こういうメーカの製品は総じて他の製品も品質が高く、信頼性に足ることが多いです。
 じゃあどこで見分けるのか。タイトルにも書いたHDCPの規格になります。

 結論から言うと、「HDCP2.2対応」と書かれてるアダプタを買えばOKです!
 というのも、先に紹介したパッシブ変換で用いられるDP++の方式では、HDCP2.2の要件である「4K 60Hz」を満たす出力規格を出すことが出来ません。裏を返せば、HDCP2.2対応と書かれているということは、DP++を使用しない、アクティブ変換タイプのアダプタだ!と判断出来るんですね。

 さらにさらに嫌らしい商品になると「HDCP対応!」としか書いてないようなのがあります。重要なのは2.2に対応できているかどうかなので、そこのところお間違えの無いように!さっきの価格の件と言い、こういうミスリードを誘う製品、絶滅すればいいのに。。。

それでは、皆様も快適なデジタルガジェットライフを!

ではまた!


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